おしなばあちゃん4月4日、高千穂町尾谷の、おシナばあちゃんこと佐藤シナさんが、94歳でご逝去されました。
千人の蔵、最初の土曜日のことでした。尾谷のショーゾーさんが「こびるの冊子をお供えするから」と蔵にとりに見えたのです。

こびる研究会の聞き取りの折には、美しく整えられた家庭菜園をみせていただき、たくさんのお話をきかせていただきました。こびるの会にも、尾谷百年会のみなさんとショーゾーさんのワゴン車に乗って山を下って参加いただきました。
「今日は、こんな楽しい会に、若けーもんと一緒に来ることができて、ほんとにありがたい。冥土のみやげになった」と挨拶され、みんなで大笑いしたことでした。当時92歳だったシナさんにとっては、一緒にワゴン車に乗ってやってきた70〜80のみなさんも「若けーもん」だったわけです。
 ご持参くださったのは、秋の結願相撲の時のお料理「尾谷の相撲めし」。私たちこびる研究会は、シナさんはじめ、尾谷百年会のみなさんに、村に伝わるすばらしいおごちそうを持ってきていただき、こびるの会に参加していただいたことが本当に嬉しく、ありがたく「尾谷から8人の神様が降りてきた」と喜びました。

 オープンした千人の蔵にも、おシナばあちゃんが鍬をを片手に、自分の畑に凛としてたたずむ写真が飾られていました。

 「シナばあちゃんにも蔵に来てほしかったね」と閉店後にみんなで在りし日のおシナばあちゃんをしのびました。この写真はずっとこの蔵に飾っていよう。「おシナばあちゃんがきっと蔵の最初の守り神さまになってくれるね」と誰かが言いました。

 美樹ちゃんが、筆をとりしたためました。「シナばあちゃんありがとう」
そして、おシナばあちゃんの写真の脇にそっと貼りました。

 おシナばあちゃん、天国で私たちのことを見守ってください。私たちがシナばあちゃんから教えてもらったこびるを受け継ぎ、子どもたちへつなぐことができるように。シナばあちゃんと過ごしたあのこびるの会そのままに、この蔵が、高千穂の食べ物を囲んで子どもから大人まで、みんなで笑いあえる場所であるように。

謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

高千穂こびる研究会一同。