手書きの地図この地図を頼りに、時々八女を歩いています。次はいつ行けるだろうか?今日も行きたいと思っていたのだけれど、体力が低下中。上手に気分転換しなければ。
でも、八女は私の大好きな手仕事や、町家、町並みや、人情を残す町です。
また歩くと元気になるような気がします。
手書きの地図

秋のレジャーシーズン。はじめて訪れる場所では、観光案内の地図を手に取ることが多いが、最近はあることに気付いた。手書きの地図が増えたことだ。そして豪華な4色印刷のものより、情報量が多く、内容も面白い。

 なぜか? 作り手が違うからだ。豪華な地図は、公的機関が観光振興の予算で作っていることが多く、手書きは、地元商店主や住民によるものが大半だ。

福岡県八女市で見つけた「八女福島・手仕事のある暮らし」という町歩きマップは、朝日屋酒店の店主作。町家カフェ、唐揚げのおいしい肉屋、昔ながらの飴屋、麹屋などが、解説付きで載っている。

本人に聞くと「町家の再生が進み、新しい店舗もできるから、すぐに書き換えられる手書きのほうがいい。安上がりで手軽に刷れます」とのこと。

八女市上陽町の「釣り具の木下」でもらった釣りのポイント地図も、お客さんの情報をもとにポイントを更新するため手書きであった。

安いコピー用紙や、わら半紙でいい。黒一色の線でいい。地元の人々が自分の足で歩き、見聞きして作った地図こそ使いやすく、あたたかい。(フリーライター)

西日本新聞夕刊コラム「潮風」に掲載