2011年01月08日

鰤(ブリ)だわ (ほぼ週間山親爺 101231-01)

216859204さてさて新年を迎え、森の新聞は、新たな論客を迎えることとなりました。北海道から寄稿してくださる「髭山親爺」さんです。山親爺とは、北海道の方言でヒグマのこと。
北海道の山奥で様々なニュースを収集し、独自の分析を加えて書かれるコラムにご期待ください。

髭山親爺さんのプロフィールはこちら

第一回目の通信は、鰤についてです。

鰤だわ


博多の正月といえば「鰤」である
魚屋でもデパートの鮮魚売場の主役は
カニと鰤なのである

残念ながら鰤の主役は長崎なのだ
1本四万円以上する特級品は長崎産なのだ

しかし氷見ブリに匹敵するキラーブランドが無いことも事実である
海流や地形など自然条件を手に入れることは不可能である

北海道の輸入業者と雑談したことがある
彼の前赴任地は福岡、めんたい屋に原料を手当てすることが主なシゴトだったらしい
おそらく現在は、二年分の在庫があるそうだ
冗談のような話だが「わけあり品」として
わざわざ正規品を切り子にして
安価大量販売を行なうこともあるそうだ
(テレビのドキュメンタリーでも報じられていた)

「めんたい」という販売価格拘束力を持った
利幅の高い水産加工品だから出来る手段だと思う
倉庫代など生産原価が把握できるから
経営判断できる手段だとも思う

福岡において鰤の超一級品のブランドを確立することは困難だと思う
ただし、平均的な消費者が鰤の切り身を購入する時
「天然」とか「養殖」での価格差しかない時に
「博多ブリ」(蓄養)(仮称)というブランドがあった時
購買意欲を大きく刺激すると思う

その時一番需要なことは
魚屋や鮮魚売場を巻き込んだブランド構築だと思う
「博多ブリ」という中間ブランドを育成することによる
天然モノの差別化と利幅の薄い(想像だが)養殖の圧縮が可能と思う

補足情報として牛肉売り場のトレンドを示す
F1(エフワン)とか交雑種というカテゴリーがある
乳用種のホルスタインに和牛の精液をかけた牛
和牛より乳用種は格段に体躯が大きい
当然肉は、格段に和牛のほうがサシがありウマイ
国や生産者団体は
F1とか交雑種では消費者への訴求が弱いと広告代理店に唆されて
ここ数年、多額の広告宣伝費を使い消費者へのアピールを行なってきた
牛肉流通現場や量販店担当者は
異口同音に、それらのアピールの効果に疑問を抱いていた
しかしながら今年の大きな変化は
交雑の牛肉在庫不足が顕著となり枝肉相場が高騰した
原因は、交雑牛の在庫頭数不足もあるが
一番は、消費者が交雑を美味しくて手頃な牛肉と認知し始めたことだそうだ
これは、国などのキャンペーンによる効果よりも
牛肉流通業者や売り場担当者の意識だと思う
和牛や国産牛(ホル去勢牛)よりも利幅の取れる交雑種を進んで取り入れた結果である

生産現場と流通が対峙する構図はそろそろ卒業するべきである
当然、川上からの一方的なプロダクトアウトではなく
両者が協力して、購買者が喜んで購入するマーケットインの発想が需要である

おせちの鰤の照り焼きに箸をつける時に
母親が「今年は博多ブリよ」と微笑みながら語る
正月の食卓から福岡おさかな応援団の本格活動が始まるかの知れない

※ニュースソース
日本経済新聞 朝刊 2010/12/31付
氷見ブリ「産地の適正表示を」 都卸売業者協、漁協に要望書





morichi2005 at 15:10│Comments(0)clip!海の新聞 

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