センチュウにやられた稲順調に育っていた天神パーク田の稲。既に稲穂が出ておりますが、この写真はその少し前に撮ったもの。

やばい、やばいですーーーー。というときに潮風の順番が来たので書きました。
都会の害虫。

 まだまだ猛暑の続く福岡市中央区昭和通りだが、ビルの屋上は夕刻ともなれば意外と涼しい。いや涼しく感じるのは風にそよぐイネの緑のせいか。60本のペットボトルを使った米づくり。天神パークビルの屋上で、同ビルと管理会社を同じくするマンションの住人20名ではじめた「天神パーク田」でのことだ。
 
 田の畦で見かける雑草が、ペットボトルの端で小さな花を咲かせたり、こんな都会で害虫も出るまいとたかをくくっていたらウンカも発生。中国からジェット気流に乗って飛んでくるという。

 いやはやいっぱしの田んぼになったもんだと喜んでいたら、盆を過ぎた頃から葉先が枯れはじめた。栽培指導をお願いしている福岡教育大学准教授の平尾健二さんに相談すると「イネシンガレセンチュウ」だろうとのこと。気温が高いと発生しやすく、生長点や幼穂に寄生して汁を吸う。ウンカは手で落とせば済んだが、今度はそうはいかない。

 「農薬をかけるかどうか」。本日土曜日に参加メンバーで話し合う。都会の小さな田んぼは、私たちに、生きることや食べることについて、様々に語りかけてくる。(自営業 森千鶴子)

(西日本新聞夕刊・潮風8月20日号に掲載)