仲畑広告大仕事4月からの大学院の授業に、「社会教育思想論」というのがあります。
1980年代の政治、経済と文化の関係、市民運動の潮流などを丹念に見ていくのですが、授業を受けていて、コピーライター時代の本が役に立つのではと思いつき…。ごそごそと、実家の部屋を捜索…。
あった、あったよ。私が、20代で、ヤクザなOLだった頃のバイブル「仲畑広告大仕事」

私の大学時代〜OL初期はバブル景気。就職も売り手市場で、
広告制作会社の初任給もなかなかによかったと思います。
何もできない小娘が、給料をもらいながら、1人前になるように育ててもらえたんだから、贅沢な時代でした。
2社経験しましたが、2社とも、素晴らしい上司と同僚に恵まれ、今の私がいます。

コピーライターには決してあこがれてなったわけではなく、
大手の出版社に入れず、仕方なく…といったところだったのですが
当時は広告でモノがどんどん売れていた時代、
広告のクリエイティブの質も、非常に問われていた時代だったと思います。
その中で、あまりやる気のなかった私が
現場に鍛えられ、モノを売ることの面白さに目覚めていきました。

「宣伝会議」などの専門学校に通っていたわけでもなく
何の予備知識もなく業界に飛び込んだ私は、
不平不満や、弱音を吐くことが多かった(今と同じ)

そんな中途半端な駆け出しコピーライターが、上司以外に唯一尊敬し、あこがれていたのが、仲畑貴志さんでした。

今、見てみると、この本1万6000円もしたんだなあ。
やる気がでないときや、昼休みや、ちょっとくじけそうなときには、いつもめくっていたっけ…。
(週プロとか、ゴングも読んでたけど)

そして、Uターンする前年に、なんとご本人に、仕事でインタビューする機会を得た。

「仲畑さんに、コピーライターの名刺出すんかい!」と思うと
めっちゃ恥ずかしかったのを覚えています。けれど、そのあとの、仲畑さんとの対話は、一生私の宝物になりました。

そして、今、また、仲畑さんのコピーが、私に何かを教えてくれる気がする。文化や消費と深く関わる広告表現、デザインやコピーライティング。それらは、少なからず時代を映す鏡である。